東北大震災 郡山市民の視点 本文へジャンプ
被災生活の状況[報告者:キヨノ ken_chaos@yahoo.co.jp]
【2011年03月31日までの記事へはこちらから】
【2011年04月01日から30日までの記事へはこちらから】
【2011年05月01日から06月28日までの記事へはこちらから】
【2012年02月からの記事へはこちらから】

2011年09月11日(日)
大地震から半年
 夏休みに入ってから,研究や大学の仕事に追われるようになる.夏休み前までは,週に2,3日放射線の測定や除染作業に行っていたが,今ではそんな時間は,とても取れない.震災後,しばらくは,私に負担をかけないよう,共同研究の先生方も多めに見てくれていたのだろう.震災や原発のことを考える時間がなくなる状況は,震災前の普段の大学生活に戻りつつあるともいえる.

2011年09月05日(月)
ボストンから帰国
 IEEEの医工学関係の国際会議に参加するため,1週間ほどアメリカボストンへ出張.飛行機内の放射線量は高いかと思い測定してみると,最高でも毎時0.3マイクロシーベルト程度.毎時5マイクロシーベルト程度あると予想していたので,ずいぶん低いと感じた.
 アメリカへ行くと,時差ぼけで体調を崩すことが多い.でも,今回は,時差ぼけはあるものの,風邪などひかず,体調はそれほど悪くならなかった.今週の木曜日から,私が世話人をする研究会が東京であるので,再び日本時間で頑張らなければならない.

2011年08月26日(金)
放射線モニター「はかるっち」はすぐに売り切れ
 郡山市のひさき設計が,今日から簡易放射線モニター「イプタ はかるっち」を,まうちゅうセルフステーションで販売するそうだ.値段は19,800円.試しに買ってみようと思い,まうちゅうへ行ってみると,朝すぐに売り切れたとのこと.
 そのうち,エステーからも,低価格の放射線モニターが発売される予定なので,これで,放射線放射線の測定器を多くの人が入手できるようになるだろう.とはいえ,数値がわかっても,それだけではどうにもならない.

2011年08月12日(金)
実家のある岡山の放射線量
 家族とともに私の実家がある岡山へ.西日本の放射線量は,東と比べて高いと聞いていたので測定してみた.
 木造家屋の室内では,毎時0.07〜0.09シーベルト程度.土の表面では,毎時0.10〜0.12シーベルト程度あった.土の表面を2cmほど削っても,放射線量は変わらなかったので,今回の原発事故の前からこの程度の放射線量はあったのだろう.

2011年08月07日(日)
公園で水遊びする子どもの姿はなし
 郡山市内では夏休みになってから,子どもの姿を見かけることが少なくなった.我が家では,子どもたちは妻の実家へ行き,今,私は一人暮らし.
 朝9時過ぎ,近所の21世紀公園へ行ってみても,そこで遊ぶ子供の姿はない.時間が早すぎたのかもしれないが,昨年と比べれば,水遊びをする子どもの数は大幅に減少している.

2011年08月03日(水)
郡山市から581人の園児が県外へ(5月19日時点,報道メモ)
 
福島県全私立幼稚園協会の調査によると,5月19日までの時点で,園児約2000人が県外に転園したり、幼稚園に通うのをやめたりしているという.警戒区域と緊急時避難準備区域が約800人,いわき市が589人,県中地域の郡山市が581人,福島市などの県北が215人,須賀川市などの県南が95人.原発から約100キロ離れた会津地方でも18人が退園するなどしている.
 夏休みに入った現在,県外に転出する家族はさらに増えていると予想される.

2011年07月30日(土)
福島県1万8601人減(5月1日時点の推計人口,報道メモ)
 福島県が29日公表した5月1日現在の推計人口によると、県人口は200万5488人で、東日本大震災前の3月1日現在と比べて1万8601人減少.減少幅は前年同期の5994人に比べて3倍以上.県統計調査課は「国のまとめでは県外避難者は約4万5000人おり、人口は200万人を割り込んでいる可能性がある」と指摘.

2011年07年23日(土)
車の汚染
 家族で妻の実家がある神奈川へ.神奈川の太平洋岸までくると,屋外で毎時0.06マイクロシーベルト程度,室内の放射線量は毎時0.03〜0.04マイクロシーベルトだった.しかし,外で,私の車の近くを測ると,毎時0.10〜0.15マイクロシーベルト程度あった.これは,わずかではあるが私の車が汚れているということ.放射性物質は主にプラスチックパーツの汚れと一緒に付いていた.この程度の汚れは,私の車だけでなく東京の東側の広い地域で見られた.

2011年07月21日(木)
住宅洗浄の専門業者でも,除染は素人
 最近,業者に依頼して建物,屋根,道路の除染を行っている光景を,ときどき目にする.しかし,残念なことに,ほとんど除染の効果はないこともあるようだ.私が想像するに,業者は水をかければ,表面についた放射性物質がとれると考えているのではないだろうか.
 高圧洗浄をするにしても,ノズルをしっかり洗浄面に近づけ,アスファルトやコンクリート面の目に見える汚れがすべてとれるくらい丁寧に洗浄しなければ,放射性物質はとれない.正しく道具を使えば,50〜80%の放射性物質を除去することができるのに,それができていない.さらに,汚水の排水をきちんとしなければいけない.
 子供のことを心配して,余計な出費をしている家族のことを思うと,なんともやりきれない.洗浄業者に悪意はないと思うが,業者に単に頼めば良いというものではないということだ.汚染面表面の放射線量(毎時マイクロシーベルト)が少なくとも40〜50%減になるように業者に頼む必要がある.より正確には,ベータ線を測れる測定機で,cpm単位の表面汚染を60〜80%程度低減することを条件に洗浄を依頼したほうが良い.
 私が使っている家庭用の高圧洗浄機とバキュームクリーナーを使っても,上記の基準は簡単にクリアできる.にもかかわらず,業者の洗浄後に5%も除去できていない例も珍しくない.
 
2011年07月19日(火)
小学校からの転出止まらず
 例年になく息子の同級生の転校が多い.既に5人ほど転校しているようだが,さらに,1学期を最後に2人転校するそうだ.30人程度のクラスの中では,これは異常.私は気持が落ち着くように行動するのが良いと思うので,転校することも1つの選択だと思う.息子は,お別れの手紙を何度も書かされ,内容にこまっている.しばらくは,自主避難の流れは止まらないだろう.

2011年07月17日(日)
子どもたちと映画に
 郡山駅前の映画館に子供と一緒に行った.上演40分前に,映画館に着くと,すでに長蛇の列.猛暑の中,外に並ばされていた.私も仕方なく,列に並んだ.子どもたちは,道路わきの日陰に座わってDSなどをやっている.子供に持たせた,放射線量計を見ると毎時1.2マイクロシーベルトを超えている.暑さと放射線に耐えながら,なんとか映画を座ってみることができた.

2011年07月16日(土)
父兄とともに表土除去
 郡山市内の幼稚園の奉仕作業で園庭の表土を削るということで,私も協力.朝6時30分から,みんなで,ショベルを使って作業した.
 放射性物質は,土の比較的表面に吸着されているが,表面の土を少しとるだけでは,汚染を十分に取れない.土壌では,放射性物質が比較的多くついている深さがあり,その深さは土の種類ごとに違う.この深さを見極めて作業しないと,放射線量の効果的な低減は難しい.
 今回は,放射線量を測りながら,目に見える形で効果的な作業の方法を説明させていただいた.作業した場所では,土の表面の放射線量は半分以下になった.

2011年07月14日(木)
放射線の影響は多面的に考える必要がある
 
放射線防護学では,電離放射線への被ばくによる放射線障害を低減させることが主な目的.それに影響され,市民も放射線障害だけを気にしているように感じる.しかし,放射能汚染が広がった地域において,汚染の影響は,地域社会や経済,住民の環境やストレス,児童生徒の育成など多方面に及ぶ.例えば,「人口流出」,「地域経済の疲弊」,「自主避難による家計の圧迫,家庭崩壊」,「住民のストレス障害(ストレスによる妊婦の喫煙や飲酒は催奇性がある),自殺の増加」,「換気不足による皮膚障害やシックハウス症候群,感染症の蔓延」,「児童生徒の運動不足による体力低下,視力低下,筋骨格形成への悪影響,肥満」.
 このような間接的影響は,既に実害を地域へ及ぼしているのではないだろうか.放射能汚染を除去し,克服する目的は,直接的な放射線障害の防止だけではなく,間接的な影響も含めて地域社会を正常化させることにあると思う.答えのでない放射線障害の議論に終始するのではなく,目の前の現実,我々の苦悩を踏まえて,今,何が必要かを考えて欲しい.

2011年07月12日(火)
市職員にお願いするも
 保育園の除染作業をしていると,市役所の担当者がいらしたので,私の名刺を渡し,保育園などの放射線量低減策をお願いしますといったところ,目を合わそうとも,言葉をかわそうともされなかった.私のような3流の人間は目に映らないらしい.
 今日は,30度をこえる外気温の中,保育園の園舎周りの土を削り,土のう袋を40個程度運んだ.汗だくになり,泥まみれになった.

2011年07月05日(月)
保育施設の高圧洗浄機購入に市からの補助
 複数の保育施設からの情報では,保育施設が高圧洗浄機を購入する際に,費用の一部を郡山市が補助するということ.
 これは良いことではあるが,高圧洗浄機で,どこを,どのように洗えばいいのかという情報についても,きちんと与えていく必要がある.大雨の後でも放射線量がほとんど減らないことからもわかるように,水をかけるだけでは,放射性物質の汚れはとれない.汚れている場所を特定し,洗浄機のノズルを洗う面にできるだけ近づけ,ゆっくりと丁寧に作業する必要がある.また,放射性物質は消えてなくなるわけではないので,汚水もきれいに流す必要がある.

2011年07月03日(日)
高圧洗浄機を追加注文
 これまで幼稚園や保育園について,12施設で放射線量の測定を行い,その内7施設で除染作業を行った.作業をしていくうちに清掃道具が増え,今では私のミニバンが清掃会社の車のように清掃道具やスコップなどが満載の状態になっている.
 除染作業で最も使用頻度が高いのが高圧洗浄機.高圧洗浄機で,屋外のコンクリート面,アスファルト面,屋根を洗浄すれば,40〜70%放射性物質を取り除くことができる.また,壁や窓枠の清掃にも使える.高圧洗浄機は簡単に使いこなせるが,除染をするときは,ゆっくり丁寧に洗浄すること.
 高圧洗浄機で丁寧に洗浄すると意外と時間がかかるので,私だけでは作業時間が足りない.ということで,保育施設に高圧洗浄機を貸し出して,徐々に作業をしてもらうことにした.本日,追加の装置を注文.2台に増えれば,より効率的に除染作業が進められると思う.

2011年07月02日(土)
窓枠の溝にもほんの少し放射性物質があった
 放射性物質がたくさんついているのは,屋外の土,コンクリート,アスファルト.それと,屋根にも.私はこの部分に注目して,除染作業を続けてきた.室内の放射線量を下げるためには,室外で汚染が強いところをきれいにすることが重要だからだ.
 たまに,除染のために窓を拭けなどと書いてある本を見かけるが,私は,窓にはほとんど放射性物質がついてないと考えていた.最近気になって実際に測ってみると,窓ガラスにはほとんどないが,サッシの下の溝の部分に少しは放射性物質が溜まっていることがわかった.とはいえ,道路や屋根と比べれば,1/10から1/20程度とかなり少ない.
 ということで,窓のサッシの溝の部分を歯ブラシで掃除.放射性物質を70〜80%程度取り除くことができた.窓サッシの溝の部分については,室内の放射線量としてほとんど影響はないが,比較的簡単に掃除できるので,できればしたほうが良い.

【2012年02月からの記事へはこちらから】
【2011年03月31日までの記事へはこちらから】
【2011年04月01日から30日までの記事へはこちらから】
【2011年05月01日から06月28日までの記事へはこちらから】
   
inserted by FC2 system